Adobe AnalyticsのReports & Analytics のサポート終了について

はじめに Adobe Analyticsで長年サポートされていたレポート機能(Reports & Analytics)が、2024 年 1 月 17 日より廃止となりましたので、その概要をご紹介します。 廃止となった理由 レポート機能のレポーティング、ビジュアライゼーション、および基盤となるテクノロジーは、アドビのテクノロジー標準を満たさなくなったため、最新の Adobe Analytics環境では維持できなくなったとのことです。 ワークスペースでサポートされている機能と廃止された機能 廃止となるレポート機能のほとんどは、ワークスペース(Analysis Workspace)内でサポートされていますが、一部はサポートされてなく、今後もサポートされる予定がない機能もあります。 <サポートされている機能> コンボ チャート (2022 年 8 月リリース) カレンダー イベント (2022 年 3 月リリース) メニューのカスタマイズ (2023 年 1 月にフォルダーとしてリリース) ボット レポート (2023 年 6 月リリース) リアルタイム レポート (現在のバージョンを引き続きサポート) <廃止された機能> ブックマーク ダッシュボード カスタムレポート Publishing Widgets Current Data データ抽出 デフォルトのメトリクス データフィルターボタン…

Adobe AnalyticsのReporting Activity Managerの使用方法

はじめに みなさん、Adobe Analyticsを使用していて、ワークスペースがなかなか表示されない、レスポンスが返ってこない、重たい、など感じたことはありませんか? 今回は、レポートのキャパシティを確認することができるReporting Activity Managerを紹介します。 Reporting Activity Managerとは Reporting Activity Managerを使用すると、現在の稼働率、リクエスト数などをリアルタイム確認することができます。キューに溜まっているリクエストを確認でき重たいリクエストをキャンセルすることでパフォーマンスを修正することもできます。 メリット レポートスイート単位で現在のキャパシティをリアルタイムに監視することができます。 現在の処理中のリクエスト、キューに溜まっているリクエストを表示することができます。 管理者はリクエストをキャンセルすることで、容量を解放することができます。 Reporting Activity Managerの表示方法 Reporting Activity Managerを表示するには、「管理者」> 「レポートアクティビティマネージャー」を選択します。 レポートスイートの一覧が表示され、各レポートスイート毎の使用率、キューの数、待機時間などが確認できます。 個別のレポートスイートの詳細情報を確認したい場合は、レポートスイートのリックをクリックします。 過去2時間の以下の状況が確認できます。 使用率 ユニークユーザ数 リクエスト数(処理済、待機中) キューの平均待機時間(秒) また、リクエスト別の以下の情報も確認することができます。 実行時間 待ち時間 リクエストしたユーザー 対象のワークスペースプロジェクト ステータス(実行中、保留中) リクエストの複雑さ など レポートリクエストのキャンセル方法 重たい処理が実行されていることで全体に影響が出ている場合、対象リクエストをキャンセすることができます。 キャンセルは、 リクエスト単位 ユーザ単位 プロジェクト単位 アプリケーション単位 のいずれかで行うことができます。 キャンセルしたいリクエスト(ユーザ、プロジェクト、アプリケーション)を選択して、「リクエストをキャンセル」することでキャンセルできます。 まとめ パフォーマンスが劣化した場合その原因調査をご自身ですることもできますので、ぜひ一度使用してみてください! Implement DigitalではAdobe Analyticsの分析を支援するサービスを提供しています。 ご興味がありましたらお問い合わせください。

Adobe Analyticsの変数活用方法(カウンターeVar編)

はじめに Adobe Analyticsの変数はトラフィック変数(prop)、コンバージョン変数(eVar)、イベント変数(events)など用途に合わせて利用可能な様々な機能が用意されています。さらに変数の中でも個別に便利な機能が沢山ありますが、多機能なため活用しきれていないことがあるのではないでしょうか? 第一回目はリストprop、第二回目はリスト変数を紹介しましたが、今回は第三回目としてカウンターeVarについて紹介します。なおリストprop、リスト変数については以下をご覧ください。 Adobe Analyticsの変数活用方法(リストprop編) Adobe Analyticsの変数活用方法(カウンターeVar編) カウンターeVarの概要 eVarは通常文字列を設定し計測しますが、カウンターeVarは数値型のデータを設定しカウンターとして利用可能な機能となります。 例えば購入までに実行された商品検索数を把握したい場合などで利用します。 カウンターeVarの設定例 ・実装内容(実数の場合) s.eVar4 = “+1”; ・レポートでの表示 ※上記では指標を発生件数としていますが、カスタムイベントや売上高、購入回数なども指定可能です。 ・実装内容(少数の場合) s.eVar5 = “+0.2”; ・レポートでの表示 設定方法 管理者メニューから「レポートスイートマネージャー」を開きます。 レポートスイートを選択し「設定を編集>コンバージョン>コンバージョン変数」でコンバージョン変数の一覧を表示します。 該当変数の「名前」を入力し、「状態」を「有効」にします。 「 タイプ」で「カウンタ」を指定します。 「有効期限」を指定します。 「保存」をクリックします。 制限事項 設定したeVarの有効期限に達すると回数はリセットされます。 分布が必要な場合に有用な実装方法になります。(平均であれば、計算指標で実現可能)。 少数を指定した際、小数点以下が 3 桁以上ある場合は2 桁に四捨五入されます。 マイナス値(-)は設定できません。 まとめ 今回はAdobe Analyitcs変数の活用方法について紹介しました。第三回目はカウンターeVarについて紹介しましたが、今後も他の便利な機能について随時紹介していきたいと思います。 Implement DigitalではAdobe Analyticsの導入、実装、運用を支援するサービスを提供しています。 ご興味がありましたらお問い合わせください。

Adobe Analyticsでコンポーネント(セグメント、計算指標)を使用している場所を確認する方法

はじめに Adobe Analyticsでセグメントや計算指標のコンポーネントを入れ替えたい場合など、大量にあるワークスペースプロジェクトの中から、どこで使用しているか見つける方法がなかったと思います。それが、コンポーネント一覧の画面から簡単に見つけられるようになりました。(この機能は2023年10月にリリースされました。) コンポーネントを管理するための新しい列 コンポーネント一覧の画面に「使⽤場所」「前回の使⽤」の2つの列が追加になりました。この2つの列の追加で、コンポーネントが使⽤される場所、前回使用された日時がすぐに分かるようになりました。 2つのチェックを入れると以下のように一覧に表示されます。 使⽤場所 「使用場所」をクリックしますと、使用しているコンポーネントの数が表示されます。 クリックすると実際に使用しているコンポーネント一覧に遷移します。 自動的にフィルタした結果が表示され、該当のコンポーネントを使用しているワークスペースの一覧が確認できます。 前回の使⽤ 「前回の使用」列では、最近の使用状況が確認できますので、現在使用されているコンポーネントなのかどうかを確認できます。 列を表示できるコンポーネント 以下のコンポーネントが対象になります。 セグメント 計算指標 アラート(アラートは、「前回の使⽤」のみ) まとめ これまでコンポーネントに修正を加える場合など、使用状況・影響範囲が把握できず、苦労されている方は多かったと思います。非常に便利な機能ですので、皆さん活用してみてください! Implement DigitalではAdobe Analyticsの分析を支援するサービスを提供しています。 ご興味がありましたらお問い合わせください。

Adobe Analyticsワークスペースのフリーフォームテーブルから特定の行を非表示にする方法

はじめに ワークスペースのフリーフォームテーブルから特定の行を非表示にしたい場合、皆さんどんな方法を使用していますか?ここでは最近リリースされた機能で、簡単に素早く特定の行を非表示できる機能を紹介します。 フリーフォームテーブルから特定行を非表示する方法 操作は簡単で1クリックだけで可能です。行に「x」アイコンが表示されるようになりましたので、こちらをクリックするだけで非表示することができます。 以下のようにその行のみ削除されます。 非表示にした行を元に戻す方法 上記方法で非表示にすると、フィルターが適用されフィルター内の「常に項目を除外」に自動的に値が設定されていますので、そこをクリアすれば元に戻ります。 他の特定行に絞り込む方法 皆さんご存知と思いますが、行を非表示にする方法として、そのほかには以下の方法もございます。 クイックセグメントでの除外する方法 選択した行のみ表示する方法 選択したい行を選択した状態で右クリックすると、「選択した行のみ表示」ができますので、こちらを選択します。 フィルタを使用する方法 フィルタの条件指定で表示したくない行の条件指定をします。 まとめ 複数行を一気に非表示にすることはできませんが、必要のない行を簡単に非表示にしたい場合は今回ご紹介した削除クリックが一番便利だと思います。皆さん活用してみてください! Implement DigitalではAdobe Analyticsの分析を支援するサービスを提供しています。 ご興味がありましたらお問い合わせください。

Adobe Analyticsのデータ修復 API (Data Repair API )機能について

はじめに Adobe Analyticsでは、既存の計測データを削除または編集する方法として「データ修復 API (Data Repair API )」という機能が提供されています。 本記事では、その概要をご紹介します。 データ修復 API (Data Repair API )とは データ修復 API は 2021 年にリリースされた機能です。 以前の Adobe Analytics では一度計測して格納されたデータは、通常では編集や削除はできない構造になっていましたが、個人情報保護などの理由で、誤って取得した個人情報データの削除などの必要性が高まり、計測データの削除や編集機能が追加実装・強化されました。 Adobe Analytics のほとんどのデータタイプと変数(prop や eVar 等)は、この API を通じて修復または削除できますが、イベント/指標、マーチャンダイジング変数、その他の変数タイプは使用できないことに注意してください。 ※サポートされる変数のリスト(ジョブ定義のリファレンス) アクションとフィルター条件 データ修復 API では、以下の項目を指定して特定の変数に対してアクションを実行します。 レポートスイート 期間 変数 アクション(set, delete, deleteQueryString, deleteQueryStringParameters) フィルター条件 データ修復 API で指定できるアクションには、以下の通り 4 パターンあります。 set: 変数の値を上書きします。 delete: 変数の値をクリアします。 deleteQueryString: 変数の値が URL 形式の場合にクエリパラメーター全体を削除します。…

Adobe Analyticsのワークスペースで利用できるショートカットの紹介

はじめに 本コラムでは、Adobe Analyticsワークスペースのプロジェクト作成時によく使用しているショートカット中心に紹介したいと思います。 なお、ショートカットは他にもありますので、巻末に参考リンクも是非ご参照ください。 ショートカット例 いずれもワークスペースのプロジェクトを開いている状態で実行します。 操作 Windows Mac プロジェクトの保存 Ctrl + S Command + S プロジェクトに名前をつけて保存 Ctrl + Shift + S Command + Shift + S Undo Ctrl + Z Command + Z Redo Ctrl + Shift + Z Command + Shift + Z セグメントビルダー(追加)を開く Ctrl + Shift + E MacではCommand + Shift +…

Adobe Analyticsのワークスペースで動的ドロップダウンフィルターを使用する方法

はじめに Adobe Analyticsのワークスペースで、パネルのドロップゾーンに、動的ドロップダウンフィルター機能が追加されました。これは非常に便利な機能です。 動的ドロップダウンフィルターを使用すると、パネルのレポート範囲内のデータと、他のドロップダウンフィルターの値に基づいて、使用可能な値を自動でドロップダウンフィルターに設定します。 動的ドロップダウンフィルターの使用方法 シフトキーを押しながらディメンションをパネル内のドロップゾーンにドラッグ&ドロップします。例として「国」ディメンションを使用します。 次に同様の方法でドロップエリアに「地域」ディメンションをドロップします。 「国」から特定の値と選択すると、その国に属する地域が自動的に「地域」のドロップダウンフィルターに設定されます。(「日本」を選択すると日本の「地域」が自動でドロップダウンに設定されます。) ドロップダウンフィルターを削除する場合は、右クリックをして「ドロップダウンを削除」を選択することで削除できます。 ※動的ドロップダウンフィルターは、指標、セグメント、または日付範囲には使用できません。 複数ドロップダウンフィルターの使用例 「国」「地域」の組み合わせ以外にもさまざまな組み合わせで使用可能です。 ブラウザー:「ブラウザーのタイプ」と「ブラウザー」 オペレーティングシステム:「オペレーティングシステムの種類」と「オペレーティングシステム」 マーケティングチャネル:「マーケティングチャネル」と「マーケティングチャネルの詳細」 流入元:「リファラータイプ」と「参照ドメイン」 特定の日:「週」と「日」 など ※組み合わせが2つ以上での可能です。 ※デフォルトのディメンションだけでなく、カスタムディメンションでも適用できます。 まとめ これまでアドホックに分析したい時などでも、セグメントを作成したり、フリーフォームテーブルのフィルタで条件指定していたりしていたと思いますが、マウス操作だけで簡単に分析ができるようになりました。早速試してみてください! Implement DigitalではAdobe Analyticsの分析を支援するサービスを提供しています。 ご興味がありましたらお問い合わせください。

Adobe Analyticsの処理ルールの使い方

はじめに Adobe Analyticsのレポートスイートマネージャーには「処理ルール(processing rules)」という、アドビサーバー側でレポート変数の処理および収集の設定ができる機能があります。 この処理ルールをうまく使いこなすことで、より効果的な分析が可能になります。 ※処理ルールを設定するには管理者権限が必要です。 処理ルールの作り方 処理ルールはレポートスイートで設定されます。 Analytics/管理者/レポートスイートの順にクリックします。 レポートスイートを選択します。 設定を編集/一般/処理ルールの順にクリックします。 処理ルールページで「ルールの追加」をクリックします。 「条件を追加」をクリックし、ルールを適用するタイミングを選択します。 「アクションを追加」をクリックし、条件が一致した場合に実行するアクションを選択します。 ルールの詳細を含むメモを追加し、「保存」をクリックします。 ルールの条件は、コンテキスト変数などの値が一致するか、または値が存在するかどうかをチェックします。複数の条件を追加でき、OR条件またはAND条件を選択できます。 定義したアクションを常に実行する場合は、条件なしのルールを作成できます。 ※コンテキストデータ変数(contextData) 処理ルールの例 処理ルールの一般的な事例です。 クエリ文字列パラメーターからのキャンペーン ID の入力 製品の概要ページからの「製品表示」イベントの設定 eVar 値を prop にコピーしてパスを指定 レポート内の値のクリーンアップ コンテキストデータ変数を使用したイベントの設定 注意すべきこと ルールは単一のレポートスイートに適用されます。 処理ルールはリストに表示された順番(変更可能)で適用されます。 処理ルールは、保存後すぐにレポートスイートに適用されます。 処理ルールは、コンテキストデータ変数にアクセスする唯一の方法です。 製品文字列、リファラー、ユーザーエージェントは変更できません。 モバイルデバイスの属性と分類は使用できません。 処理ルールで読み取れるように、クエリー文字列値を Unicode または UTF-8 でエンコードする必要があります。 各レポートスイートでは、ルールの数は 150 個まで、ルールに含まれる条件の数は 30 個までに制限されます。 大文字と小文字が区別されません。 まとめ 本記事では、Adobe Analyticsの処理ルールについて、その概要、作成方法、そして事例を紹介しました。処理ルールは、Webサイトやアプリの訪問者の行動を分析するために使用されるもので、うまく活用することで、より効果的な分析が可能になります。ルールを作成する際には、以下のようなポイントに注意する必要があります。 ルールの作成には、条件、アクション、例外などを設定する必要があります。 条件の数や条件の組み合わせには制限があるため、適切に使い分ける必要があります。 ルールを作成する際には、分析の目的に合わせて、適切な設定を行う必要があります。 また、処理ルールをうまく使いこなすことで、以下のような効果が期待できます。…

Adobe Analyticsのワークスペースプロジェクトがログインしなくても見れるようになった

はじめに Adobe Analyticsのアカウントを持たないユーザでも、ワークスペースプロジェクトが閲覧できるようになりました。早速試してみましょう。 任意ユーザに共有する方法 ワークスペースの「共有」から「任意のユーザーと共有」を選択します。 「読み取り専用プロジェクトを任意のユーザーと共有」をアクティブにします。(デフォルトは非アクティブです。) 専用リンクをコピーして、共有したいユーザに展開するだけです。 認証を要求することもできます。その場合は、「Experience Cloud 認証を要求を」をアクティブにします。 共有されたユーザができること ログインなしにワークスペースプロジェクトを読み取り専用で閲覧することができます。 集計期間を変更することができ、変更した期間の集計データを確認することができます。これはPDFレポートではできなかった操作です。 共有の際の注意点 この機能はデフォルトで有効になっています。逆に利用させたくない場合は、管理者が無効にする必要があります。 プロジェクトの中にビジュアライゼーションが50以上ある場合は、共有することができません。 多数のユーザが同時にアクセスすると、アクセスできなくなる場合があります。 まとめ まだ限定リリースですが、これまでそのためだけにアカウントを作成するもの手間がかかると思っていた方、代わりにPDFレポートを配信をしていた方などには朗報です。 是非一度試してみてください。 Implement DigitalではAdobe Analyticsの分析を支援するサービスを提供しています。 ご興味がありましたらお問い合わせください。