GA4 エンゲージメントについて

はじめに

Google Analytics4(GA4)では、従来の指標に加えて「エンゲージメント」という概念が新しく登場しました。

エンゲージメントは、ユーザーがWebサイトに対してどれほど積極的に関わっているかを示すもので、ユーザー体験(UX)の向上やSEO対策にも活用することができます。

今回は、GA4のエンゲージメントとは何か、またその関連指標や活用方法についてご説明いたします。

1. エンゲージメントとは?

「エンゲージメント=engagement」という単語は様々な文脈で使われ、一般的にマーケティング領域では「ブランド・サービスと消費者の心理的なつながり」のこと、人事領域では「従業員の会社に対する思い入れ」のことを指します。

GA4のエンゲージメントもこのニュアンスに近く、ユーザーが「コンテンツにどれだけ積極的に関わっているか」 を表す指標です。

GA4ではエンゲージメントを計測する指標が充実しており、これらは、具体的な行動(ページの閲覧・スクロール・クリック等)を通じて測定されます。ユーザーが単にWebサイトやアプリへ訪問しただけではなく、コンテンツを読み込んでいるか、動画を視聴したりリンクをクリックするなど能動的な行動を取っているかどうかを評価するということです。

そのためエンゲージメントが高いほど、提供するサービスがユーザーのニーズを満たしているサイトであると言えるでしょう。エンゲージメントとは、「ユーザーがどれだけ興味を持って閲覧しているのか」を分析するための指標と捉えると良いと思います。

2. エンゲージメントを測る指標について

GA4では、エンゲージメントを測る指標として主に以下の3つが用いられます。

1. エンゲージのあったセッション数
以下のいずれかに該当するセッション数のことです。
  • 10秒以上の継続したセッション
  • ページビューが2回以上発生したセッション
  • コンバージョンイベントが1件以上発生したセッション
この条件の1つである「10秒以上」のしきい値はデフォルトでは10秒となっていますが、60秒までの時間調整が可能です。秒数を長くすればするほど、エンゲージのあったセッション数は減少する方向に動きます。その結果、下記のエンゲージメント率も減ります。一方で「直帰率」は増加する方向に動きます。
変更方法は以下となります。
管理画面>データストリーム>ストリーム名>タグ設定を行う>セッションのタイムアウトを調整する
adjust-session-timeout

2. エンゲージメント率:エンゲージメント セッション数 / セッション数の割合のことです。

3. エンゲージメント時間:ユーザーがサイトやアプリを積極的に使用していた時間の合計です。
ユーザーがサイトを開いたまま別のタブに移動したり、スマートフォンで別のアプリを開いたりした場合、その間はエンゲージメント時間としてカウントされません。つまり、エンゲージメント時間は、ユーザーが実際にコンテンツに触れていた時間を正確に反映する指標となります。

3. GA4でエンゲージメントを確認する方法

ユーザーの行動は多岐にわたり、熱心に閲覧している、流し見をする、アクセスしたまま離席してしまうケース等が考えられます。サイト運営者として把握しておきたい「ユーザーが興味を持って閲覧しているか」を、GA4の「エンゲージメント」でチェックしてみましょう。

左サイドバーで「ライフサイクル」>「エンゲージメント」>「概要」の順にクリックすると、「エンゲージメント」について分析できる画面のダイジェスト版が表示されます。
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この画面で、エンゲージメントに関する数値を折れ線グラフで確認することができます。下記赤枠のタブをクリックすることでグラフを切り替えて表示でき、ユーザーの行動の概要を掴むことが可能です。

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4. 分析結果をサイト改善に活かすには?

上記の確認方法の他、データ探索でより深掘りし、サイト改善に活用することが可能です。

深掘りする方法としては以下のような分析方法が考えられます。

  • ディメンションと組み合わせ分析する: ページ、参照元、デバイスなどのディメンションと組み合わせ、どのページから流入したユーザーなのか、どのデバイスのユーザーがエンゲージメントしているか等を分析します。(キャプチャは、Googleのデモアカウントのデータです。)
dimension-and-combination-analysis

確認の結果、特定のページを訪問したユーザーのエンゲージメント率が低い場合は、そのページのコンテンツやUI/UXなどを見直し、より長く滞在できるようなサイトに改善する等が考えられます。

特定の流入元からのエンゲージメントが低い場合は、 流入元に応じたコンテンツやLPを用意してユーザーの期待に応えられるようにしたり、特定のデバイスのエンゲージメントが低い場合は レスポンシブデザインの改善・デバイスに合わせたコンテンツの最適化を行う等でサイト改善に繋げることが可能です。

  • セグメントを作成し深掘りする: 特定の条件を満たすユーザーのセグメントを作成してデータ探索で分析することも可能です。例えば、特定のページを訪問したユーザーの場合は、条件を「ページパス」に設定し該当のページパスを設定、特定のキャンペーン経由で流入したユーザー」の場合、条件を「参照元/メディア」に設定し、該当のキャンペーンの参照元/メディアを指定しセグメントを作成します。
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あるセグメントのエンゲージメント率が高く、あるセグメントでは低いといった差異を分析することで、サイトの改善点が浮き彫りになってきます。例えば、特定のキャンペーン経由で訪れたユーザーのエンゲージメント率が低い場合は、キャンペーンの内容やターゲット層の見直しが必要かもしれません。これらの分析結果をもとに、サイトの具体的な改善策を導き出すことが出来ます。

まとめ

今回は、GA4のエンゲージメントについてお伝えしました。
GA4のエンゲージメントは、Webサイトやアプリにおけるユーザーとの「深い関係性」を築くための重要な指標です。
GA4のエンゲージメントを活用して、具体的な課題を特定し、効果的なサイト改善に役立てていきましょう。
ご興味がありましたらお問い合わせください

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