Adobe Analyticsの変数活用方法(リスト変数編)
Adobe Analyticsの変数はトラフィック変数(prop)、コンバージョン変数(eVar)、イベント変数(events)など用途に合わせて利用可能な様々な機能が用意されています。さらに変数の中でも個別に便利な機能が沢山ありますが、多機能なため活用しきれていないことがあるのではないでしょうか?
第一回目はリストpropを紹介しましたが、今回は第二回目としてリスト変数について紹介します。なおリストpropについては以下をご覧ください。
リスト変数の概要
リスト変数はカスタムコンバージョン変数であるeVarと似ていますが、更にリストpropの機能を持ち合わせた変数で特徴としては以下になります。
- 計測された値は有効期限まで保持(eVarの機能)
- 区切り文字で区切られた値を分割してレポーティング(リストpropの機能)
例えば商品ページでその商品が複数のカテゴリーに属している場合、カテゴリ単位で表示回数やCV貢献度(貢献数・売上高)を把握したいとします。このような場合に複数のカテゴリ情報を一度にリスト変数で計測することで可能となります。
リスト変数の設定例
- 実装内容
list1 = “cat1,cat2,cat3”;
- レポートでの表示
※上記では指標を発生件数としていますが、カスタムイベントや売上高、購入回数なども指定可能です。
設定方法
- 管理者メニューから「レポートスイートマネージャー」を開きます。
- レポートスイートを選択し「設定を編集>コンバージョン>リスト変数」でリスト変数の一覧を表示します。
- 該当変数の「名前」を入力し、「状態」を「有効」にします。
- 「値の区切り文字」でセパレーターを指定します。以下は例ではにカンマ「,」を指定しています。
- 「有効期限」を指定し、「保存」をクリックします。
※セパレーターは自由に指定可能ですが、変数に設定する値に指定したセパレーターが含まれていると、その位置でデータが区切られてレポーティングされてしまいますので注意が必要です。
制限事項
- リスト変数内の区切り文字単位での値は最大255バイトです。
(リストPropは全体で100バイトですので、それほど考慮する必要はありません) - セット可能な値の数は最大250個となります。
(超過した場合は、先頭の250個以外はレポーティングされません) - レポートスイートで利用可能なリスト変数は3個となります。
(変数はlist1、list2、list3となります。) - 設定した値はeVarと同様有効期限まで保持されます。
- 同じ値を設定した場合は、重複値は除外されます。
その他
リストPropと同様に分類設定を行うことが出来ます。
レポーティング時の注意点
リスト変数の設定が以下のようになっているとします。
有効期限 | 訪問 |
配分 | フル |
値が保持されることへの注意点
同一訪問内での計測データ
# | list1 | events |
1 | cat1,cat2 | event1 |
2 | cat2,cat3 | event1 |
3 | cat2 | event2 |
レポート
list1 | event1 | event2 |
cat1 | 2 | 1 |
cat2 | 2 | 1 |
cat3 | 1 | 1 |
#3ではcat2しか設定していませんが、#1と#2でcat1,cat2,cat3を設定していますので、値が保持されます。このためevent2はcat1,cat2,cat3の全てにカウントされることになります。
リスト変数をセグメントでフィルターする際の注意点
同一訪問内での計測データ
# | list1 | events |
1 | cat1,cat2 | event1 |
セグメントの設定
コンテナ | ヒット |
条件 | list1:次に等しい:cat1 |
レポート(上記セグメントでフィルター済)
list1 | event1 |
cat1 | 1 |
cat2 | 1 |
セグメントの条件でcat1のみに限定していますが、cat2も表示されます。
これは#1でcat1,cat2を同時に設定しているためです。
まとめ
今回はAdobe Analyitcs変数の活用方法の第二回目としてリスト変数について紹介しました。参考になれば嬉しく思います。
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