Adobe Mobile SDKのiOS 17 プライバシー マニフェスト対応について

はじめに

2024年春からAppStoreに提出するアプリにはプライバシー マニフェストに対応する必要があります。
Adobe iOS Mobile SDKを利用している場合の対応方法について簡単に説明します。

必要要件

  • Mobile SDK for iOS/iPadOS(iOS AEP SDK) バージョン5以上ではプライバシーマニフェストが含まれていますので、バージョン5以上へのアップデートを行います。
  • バージョン5を使用しない場合も iOS Mobile SDK Core extensionを4.2.1 以降に更新し、reason 1C8F.1を含む独自のプライバシーマニフェストをアプリケーションに含める必要がありますが、ここでは詳細は割愛します。

プライバシー マニフェストへの記載

プライバシーマニフェストの例

プライバシー マニフェストファイル(PrivacyInfo.xcprivacy)がない場合はプロジェクトに追加します。
追加する際はテンプレートにApp Privacyファイルを選択するとデフォルトで「PrivacyInfo.xcprivacy」というファイル名で作成されます。

プライバシー マニフェストのPrivacy Nutrition Label Typesにはアプリが使用しているMobile SDK Extensionに合わせて以下の値を設定します。

  • Collected Data Type
  • Linked To User
  • Used For Tracking
  • Collection Purposes

Used For Tracking と Used For Tracking には以下のIdentityの使用状況に合わせて設定します。

  • No – Identity Mapでauthenticated identitiesを取得していない場合
  • Yes – Identity Mapでauthenticated identitiesを取得している場合

この Identity Mapでauthenticated identitiesを取得していない/いるの判断は、Adobe Analyticsの識別IDとAdobe以外のIDサービスと連携されているかが判断の基準となります。
Adobe以外のIDサービスと連携していない場合はNoになります。

Mobile SDK Extension Collected Data Type Linked To User Used For Tracking Collection Purposes
(Reason For Collection)
・Analytics
・Core
・Identity
・Edge Identity
User ID No / YES No / YES ・Developer’s Advertising or Marketing
・Analytics
・Edge
・Edge Bridge
・Edge Media
・Media Analytics
Product interaction No / YES No / YES ・Developer’s Advertising or Marketing
・Analytics
・Product Personalization
・Lifecycle Other Data Types No / YES No / YES ・Developer’s Advertising or Marketing
・Analytics
・Product Personalization
・Messaging
・Optimize
Other Data Types No / YES No / YES ・Developer’s Advertising or Marketing
・Product Personalization

例えばAnalytics機能拡張を使用している場合は、「User ID」「Product interaction」を記述する必要があります。

Analytics機能拡張とLifecycle機能拡張を使用している場合は、「User ID」「Product interaction」「Other Data Types」(Collection PurposesにAnalyticsを含む)を記述することになります。

アプリがトラッキングを行なっている場合は、NSPrivacyTrackingDomains(Privacy Tracking Domains)に以下を設定します。

  • omtrdc.net
  • adobedc.net
  • demdex.net

以下の実装がある場合はこれらのドメインも設定します。

  • AAでCNAME実装を利用しているドメイン
  • ACCのアプリプッシュのEndpointのドメイン

まとめ

以上、簡単ではありますがプライバシー マニフェストへの記載について説明しました。

参考URL:
App Storeへの提出におけるプライバシー要件のアップデート

https://developer.apple.com/jp/news/?id=3d8a9yyh

iOS 17 Privacy Manifest Requirements

https://developer.adobe.com/client-sdks/resources/privacy-manifest/

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