GA4 IPアドレス除外の設定方法

はじめに 今回は、GA4で特定のIPアドレスからのアクセスを除外する方法について紹介します。また、特定のIPアドレスからのアクセスのみを許可する方法についても説明します。この機能は、社内からのアクセスを除外したり、社内からのアクセスのみを許可したりする場合に役立ちます。 内部トラフィックの定義 まずは、特定のIPアドレスを内部トラフィックとして定義します。 GA4プロパティの管理メニューから「データストリーム>対象のデータストリーム>タグの設定を行う>内部トラフィックの定義」を選択します。 「作成」をクリックし、内部トラフィックルールを定義します。 内部トラフィックルールで「ルール名」「traffic_type の値」「IP アドレス」を指定します。 「ルール名」は「本社」など識別しやすい名称を設定します。 「traffic_type の値」はデフォルト値は「internal」となっています。変更可能ですがここではそのままの設定とします。 「IPアドレス」はマッチタイプとして以下が指定可能です。 マッチタイプ 入力例 IPアドレスが次と等しい 172.16.1.1 IPアドレスが次から始まる 10.0. IPアドレスが次で終わる 255 IPアドレスに含む 0.0. IPアドレスが範囲内(CIDR表記) 24 ビットブロック(例: 10.0.0.0~10.255.255.255): 10.0.0.0/8 20 ビットブロック(例: 172.16.0.0~172.31.255.255): 172.16.0.0/12 16 ビットブロック(例: 192.168.0.0~192.168.255.255): 192.168.0.0/16 IPアドレスが正規表現に一致 192.0.* IPアドレスは複数指定することが出来ます。その場合は「条件を追加」をクリックします。 「作成」をクリックし設定を保存します。 データフィルタの設定 次に内部トラフィックの定義で設定したIPアドレスが除外されるようデータフィルタの設定を行います。 GA4プロパティの管理メニューから「データ設定>データフィルタ」を選択します。 「Internal Traffic」を選択します。 「データフィルタの編集」で各項目の設定を行います。 「データフィルタ名」はデフォルト「Internal Traffic」となっていますが変更可能です。 「フィルタオペレーション」は「除外」または「次のみを含む」が選択できます。 フィルタオペレーション 説明 除外 内部トラフィックで定義されたデータは全て除外されます。 内部トラフィックを除外した場合はこれを選択してください。 (例)社内のIPアドレスを除外したい場合…

GA4 データ保持の仕様を理解する

GA4のデータ保持仕様 GA4のデータはデータの種類ごとに保持の仕様が異なります。これらの仕様を把握することで適切なデータ分析が行えるようになりますのでしっかり理解しておきしょう。 ユーザーデータ、イベントデータ ユーザーデータ、イベントデータとはデバイスID(クライアントID、アプリインスタンスID)、ユーザーID、広告IDに関連付けされたユーザー単位、イベント単位のデータのことを示します。 これらのデータは プロパティで設定されたデータ保持期間は保持されますが期間が過ぎると月単位で自動的に削除されます。 ※ただし標準レポートではなく探索レポートのみが対象となります。 ユーザー属性データ 年齢、性別、インタレストカテゴリなどのユーザー属性データには、設定に関係なく常に2か月の保持期間が適用されます。 このため該当ユーザーのアクセスが2ヶ月ない場合はそのユーザーのデータは自動的に削除されます。 Googleシグナルデータ Googleシグナルのユーザー属性データには、設定に関係なく常に26か月の保持期間が適用されます。 ただし、データ保持期間の設定が26か月よりも短い場合は、その期間が保持期間となります。 データ保持に関する設定内容 データ保持期間 データ保持期間は以下の期間を変更可能です。 無償版/有償版 設定可能な保持期間 無償版 2ヶ月(デフォルト) 14ヶ月 有償版 2ヶ月(デフォルト) 14ヶ月 26ヶ月 38ヶ月 50ヶ月 新しいアクティビティのユーザーデータのリセット ユーザーデータのリセット方法をオン/オフで指定します。 設定 説明 オン(デフォルト) あるユーザーからのアクセスがある度にそのユーザーデータの保持期間がリセットされます。 たとえばデータ保持期間が2ヶ月に設定されており、あるユーザーが最初にアクセスしてから2ヶ月以上経過した場合は保持期間が過ぎてしまうため、そのユーザーのデータは削除されますが、2ヶ月以内に再度アクセスした場合には保持期間がリセットされその時点から2ヶ月間データが保持されます。 オフ オフにした場合は、リセットされませんので最初にアクセスしてから2ヶ月後にデータが削除されます。 データ保持の設定方法 GA4プロパティの管理メニューから「プロパティ>データ設定>データ保持」を選択します。 「ユーザーデータとイベントデータの保持」の画面で「イベントデータの保持」で保持期間、「新しいアクティビティのユーザーデータのリセット」を選択し「保存」をクリックします。 データ保持期間変更時の注意点 GA4でデータ保持期間は柔軟に変更できます。 保存期間が終了すると、データは毎月自動的に消去されます。 データ保持期間を短縮すると、影響を受けるデータは次の月に削除されます。たとえば、14か月から2か月に変更すると、2か月以上経過したデータは次の月に削除されます。 データ保持期間を変更した場合、適用されるまでに24時間かかります。このため、データに影響を与えることなく元に戻すことができます。 まとめ 今回はGA4のデータ保持に関する仕様と変更可能な設定内容、具体的な設定方法、注意点について紹介しました。データ保持の機能について正確に理解した上で効果的かつ効率的なデータ分析を実施いただければと思います。 Implement DigitalではGoogle Tag Manger/Google Analyticsの導入・実装・運用を支援するサービスを提供しています。 ご興味がありましたらお問い合わせください。

コラボレーションと承認プロセスの最適化を実現するSmartsheetの校正機能

はじめに 人々に校正をレビューしてもらい、タイムリーにフィードバックを提供してもらうのは面倒な場合がありますが、ありがたいことに Smartsheet の校正機能を使用すると、コンテンツを即座にレビューして複数の関係者に承認してもらうことができます。 Smartsheet の校正機能ではファイルをアップロードしてチェックしてもらい、同僚、ベンダー、クライアントなどの他の人に意見を求めることができます。 自分の考えについて話し、コメントを強調表示し、それに同意するかどうかを示すことができます。 Smartsheetの校正機能では以下のことができます。 コンテンツ内のタイプミスを見つける 画像のデザイン、色、フォント、レイアウトについてフィードバックを得る オーナーや顧客のあなたの作業について承認を得る 校正機能の権限 シートの所有者、管理者、編集者はレビュー用に校正を追加することができます。 また無料ユーザーを含むすべてのユーザーが、校正をレビューしてフィードバックを提供できますが、校正をアップロードしてフィードバックをリクエストするにはライセンスが必要となります。 校正可能なファイル種別 ファイルの種類に関するいくつかの重要な注意事項を確認しましょう。 ファイル種別 サポートされているファイル 注意事項 画像 jpg、jpeg、png、bmp、gif 単一画像または複数画像のプレビューと注釈を完全にサポート 動画 mp4、avi、mov 単一動画のプレビューと注釈の完全なサポート Adobe pdf 単一PDFのプレビューと注釈の完全なサポート Microsoft doc、docx、dot、rtf、xls、xlt、xlsx、xltx、ppt、pot、pps、pptx、potx、ppsx 単一ドキュメントのプレビューと注釈の完全なサポート Smartsheetアイテムに添付されたファイル Smartsheetアイテムに添付できる任意のファイルタイプ コンテンツを直接プレビューしたり、注釈を付けたりすることはできません。 フィードバックをリクエストしたり、コメントを残したり、変更を承認またはリクエストしたり、バージョンを管理したり、校正を完了としてマークしたりすることができます。 校正機能の使用方法 (1)校正の追加 校正はSmartsheetのすべてのシートで利用できる中心的な機能です。 校正用のファイルを追加するには、該当する行の 「校正を追加」アイコンをクリックします。 (2)コラボレーション 校正のコラボレーションには 2 つのオプションがあります。 1 つ目はメンションを通じて行われます。 ユーザーが @でメンションされると、校正が含まれる行に直接移動する通知を受け、校正のレビューを開始できるようになります。 2 つ目はシート外での共同作業と承認のために外部レビューリンクが送信されます。 それでは画像をアップロードしてみます。 「アップロード」ボタンからファイルを選択し画像をアップロードします。 画像をアップロードしたら、レビュー担当者にこのファイルをレビューしてもらう必要があります。 これを行うには、上部に「招待」ボタンをクリックします。 ここで、校正レビューの宛先、件名、メッセージをカスタマイズできます。…

Adobe Analyticsのデータ修復 API (Data Repair API )機能について

はじめに Adobe Analyticsでは、既存の計測データを削除または編集する方法として「データ修復 API (Data Repair API )」という機能が提供されています。 本記事では、その概要をご紹介します。 データ修復 API (Data Repair API )とは データ修復 API は 2021 年にリリースされた機能です。 以前の Adobe Analytics では一度計測して格納されたデータは、通常では編集や削除はできない構造になっていましたが、個人情報保護などの理由で、誤って取得した個人情報データの削除などの必要性が高まり、計測データの削除や編集機能が追加実装・強化されました。 Adobe Analytics のほとんどのデータタイプと変数(prop や eVar 等)は、この API を通じて修復または削除できますが、イベント/指標、マーチャンダイジング変数、その他の変数タイプは使用できないことに注意してください。 ※サポートされる変数のリスト(ジョブ定義のリファレンス) アクションとフィルター条件 データ修復 API では、以下の項目を指定して特定の変数に対してアクションを実行します。 レポートスイート 期間 変数 アクション(set, delete, deleteQueryString, deleteQueryStringParameters) フィルター条件 データ修復 API で指定できるアクションには、以下の通り 4 パターンあります。 set: 変数の値を上書きします。 delete: 変数の値をクリアします。 deleteQueryString: 変数の値が URL 形式の場合にクエリパラメーター全体を削除します。…

Adobe Analyticsのワークスペースで利用できるショートカットの紹介

はじめに 本コラムでは、Adobe Analyticsワークスペースのプロジェクト作成時によく使用しているショートカット中心に紹介したいと思います。 なお、ショートカットは他にもありますので、巻末に参考リンクも是非ご参照ください。 ショートカット例 いずれもワークスペースのプロジェクトを開いている状態で実行します。 操作 Windows Mac プロジェクトの保存 Ctrl + S Command + S プロジェクトに名前をつけて保存 Ctrl + Shift + S Command + Shift + S Undo Ctrl + Z Command + Z Redo Ctrl + Shift + Z Command + Shift + Z セグメントビルダー(追加)を開く Ctrl + Shift + E MacではCommand + Shift +…

WordPressで無料で利用できるWebP化対応プラグインの紹介

はじめに Core Web Vitalsに重要な画像の最適化について、WordPressに関しては標準機能では弱い部分があります。 次世代フォーマットであるWebPへの変換に対応したプラグインのうち、無料で使用できるものについて紹介します。 (有料版の購入が必須なものや、無料の場合に容量・呼び出し回数などに制限のあるものは除外しています。) .htaccessにより、対応ブラウザへはWebP画像を配信する形式が主ですが、pictureタグでの対応が可能なものもあります。 1. Converter for Media https://ja.wordpress.org/plugins/webp-converter-for-media/ (旧名称:WebP Converter for Media) 特徴:プラグインが完全日本語対応。 対応画像フォーマット jpg、png、gif プラグインの日本語対応 ○ すでにメディアファイルにあるファイルへの対応 ○ プラグイン有効化以降のメディアファイルへの対応 ○ テーマで使用されているメディアファイルへの対応 ○(有効・無効の切り替えあり) プラグインで使用されているメディアファイルへの対応 ○(有効・無効の切り替えあり) 有料版 あり(AVIFフォーマットの対応等) 2. EWWW Image Optimizer https://ja.wordpress.org/plugins/ewww-image-optimizer/  特徴:最適化スコア、ローカル圧縮の節約の指標が確認できます 対応画像フォーマット jpg、png、gif プラグインの日本語対応 △(一部対応) すでにメディアファイルにあるファイルへの対応 ○ プラグイン有効化以降のメディアファイルへの自動対応 ○ テーマで使用されているメディアファイルへの対応 ○(有効・無効の切り替えなし) プラグインで使用されているメディアファイルへの対応 × pictureタグでの画像切り替え ○(「Picture WebP Rewriting」オプション) 有料版 あり(画像最適化CDNの使用等)…

Adobe Analyticsのワークスペースで動的ドロップダウンフィルターを使用する方法

はじめに Adobe Analyticsのワークスペースで、パネルのドロップゾーンに、動的ドロップダウンフィルター機能が追加されました。これは非常に便利な機能です。 動的ドロップダウンフィルターを使用すると、パネルのレポート範囲内のデータと、他のドロップダウンフィルターの値に基づいて、使用可能な値を自動でドロップダウンフィルターに設定します。 動的ドロップダウンフィルターの使用方法 シフトキーを押しながらディメンションをパネル内のドロップゾーンにドラッグ&ドロップします。例として「国」ディメンションを使用します。 次に同様の方法でドロップエリアに「地域」ディメンションをドロップします。 「国」から特定の値と選択すると、その国に属する地域が自動的に「地域」のドロップダウンフィルターに設定されます。(「日本」を選択すると日本の「地域」が自動でドロップダウンに設定されます。) ドロップダウンフィルターを削除する場合は、右クリックをして「ドロップダウンを削除」を選択することで削除できます。 ※動的ドロップダウンフィルターは、指標、セグメント、または日付範囲には使用できません。 複数ドロップダウンフィルターの使用例 「国」「地域」の組み合わせ以外にもさまざまな組み合わせで使用可能です。 ブラウザー:「ブラウザーのタイプ」と「ブラウザー」 オペレーティングシステム:「オペレーティングシステムの種類」と「オペレーティングシステム」 マーケティングチャネル:「マーケティングチャネル」と「マーケティングチャネルの詳細」 流入元:「リファラータイプ」と「参照ドメイン」 特定の日:「週」と「日」 など ※組み合わせが2つ以上での可能です。 ※デフォルトのディメンションだけでなく、カスタムディメンションでも適用できます。 まとめ これまでアドホックに分析したい時などでも、セグメントを作成したり、フリーフォームテーブルのフィルタで条件指定していたりしていたと思いますが、マウス操作だけで簡単に分析ができるようになりました。早速試してみてください! Implement DigitalではAdobe Analyticsの分析を支援するサービスを提供しています。 ご興味がありましたらお問い合わせください。

Google AnalyticsのオーディエンスリストとGoogle Analytics 4での作成方法

はじめに 今回はGoogle Analyticsのオーディエンスリストについて説明します。これは、ウェブサイトやアプリのトラフィックデータを分析し、ユーザーを特定の条件に基づいてグループ化するための便利なツールです。 オーディエンスリストの概要 オーディエンスリストを使うと、ターゲティングやリマーケティングの効果が格段にアップします。たとえば、特定のページを訪れたユーザーや特定のアクションを実行したユーザー、あるいは特定のコンバージョンを達成したユーザーなど、さまざまな条件でユーザーをセグメント化することができます。これにより、広告のターゲティングをより具体的に行うことができます。例えば、特定の商品ページを訪れたユーザーには関連商品の広告を表示することができます。また、過去にウェブサイトを訪れたユーザーに対して広告を再表示することで、リマーケティングの効果を発揮することも可能です。 さらに、オーディエンスリストを活用すると、カスタムターゲティングも可能です。地域やデバイスなど、特定の条件を満たすユーザーグループを作成することができます。これにより、より細かなターゲティングが可能になります。 ただし、オーディエンスリストを使用する際には、ユーザープライバシーに関する規制やガイドラインに遵守することが重要です。個人情報の適切な取り扱いに留意しながら、この強力なツールを活用しましょう。 オーディエンスリストの設定方法 Google Analytics 4では、オーディエンスリストの作成方法が変わりました。 具体的な手順は以下の通りです。 左側のメニューから「オーディエンス」を選択します。 「オーディエンス」をクリックします 「ゼロから作成」か「参照を使用する」を選び条件を設定します。 入力が完了したら、左上で名前を入力し、「保存」ボタンをクリックしてオーディエンスリストを作成します。 まとめ 以上が、Google Analyticsのオーディエンスリストの概要と、Google Analytics 4でのオーディエンスリストの作成方法です。これらの手法を組み合わせて、効果的なターゲティングとリマーケティングを実現しましょう。ユーザープライバシーに留意しながら、最大の成果を得ることができるはずです。

GTMでGA4のCookie属性を変更する方法

はじめに 以前当コラムで「Google Analytics 4でクッキーの設定を変更する」という記事を紹介しました。これは管理画面上からGA4のCookieの有効期限とその更新方法を設定する方法となります。 今回は管理画面からは設定できないCookie属性をGTMで設定する方法を紹介したいと思います。なお、設定可能なCookie属性は、ドメイン、プレフィクス、フラグなどです。 GA4のCookie GA4で使用されるCookieは以下の2種類があります。 Cookie名 説明 _ga クライアントIDが保存され、ユーザーを識別するために利用します。 _ga_ セッション情報を保持するための情報が保存されます。 参照:https://support.google.com/analytics/answer/11397207?hl=ja 設定可能なCookie属性 属性 フィード名 デフォルト ドメイン cookie_domain auto 有効期限 cookie_expires 63072000(2 年間を秒で表した値) プレフィクス cookie_prefix なし 有効期限の更新方法 cookie_update true フラグ cookie_flags 参照:https://developers.google.com/analytics/devguides/collection/ga4/cookies-user-id?sjid=17135921335402080564-AP&hl=ja GTMでCookie属性を設定する方法 ここではフィード名cookie_flagsを使用してSameSite属性とSecure属性を設定する例を記載します。他の属性についても要領は同じになります。 GA4設定タグを開きます。 設定フィールドに以下を設定します。 フィールド名 値 cookie_flags SameSite=None;Secure 「保存」をクリックしてタグを保存します。 まとめ 今回はGA4のCookie属性をGTMで設定する方法を紹介しました。ここまで細かく設定できることは以外と知られていないのではないでしょうか?また、通常Cookie属性を変更することはないかもしれませんが、必要になったときの参考にしてもらえればと思います。 Implement DigitalではGoogle Tag Manger/Google Analyticsの導入・実装・運用を支援するサービスを提供しています。 ご興味がありましたらお問い合わせください。

Smartsheet 数式と関数の使い方(応用編)

はじめに Smartsheetでは、数式と関数を使用して、単一のシート内または複数のシートを跨いで計算や参照を実行することができます。また記号やドロップダウンフィールドを自動化することもできます。前回は基本編として数式と関数の設定方法の概要を紹介しましたが、今回は応用編として子階層のデータを取得する方法、設定した数式を他の行にも適用する方法、シート間の数式の使用方法を紹介したいと思います。 子階層のデータを取得する Smartsheetは階層でインデントを設定出来ますが、親階層のセルで子階層のデータを関数で取得することが出来ます。 (1)具体的にはCHILDREN()関数を使用しますが、例えば子階層の合計値をSUM関数で取得する場合は以下のような数式を設定します。 =SUM(CHILDREN()) 以下は子階層「商品1」〜「商品5」の定価合計値を親階層に設定する例です。 (2)数式を設定すると以下のように子階層の合計値が表示されます。 設定した数式を他の行にも適用する 設定した数式を他の行にも適用するには、いくつか方法があります。 ドラッグフィル ドラッグフィルは値または数式を1つのセルから他のセルにコピーします。 なお、数式でドラッグフィルを使用すると、セル参照は自動的に新しい配置が反映されます。 例えば上記のようなシートがあり「商品1」の「割引後価格」を以下のような数式で設定します。 =定価1 – (定価1 * 割引率1) 設定した「商品1」の「割引後価格」をドラッグフィルで「商品2」〜「商品5」にも適用してみましょう。 (1)該当セルを選択し、右下にカーソルを合わせると十字マークが表示されます。 (2)そのままドラッグしながらコピーしたい列までカーソルを移動しドロップします。 「商品5」の数式を確認すると、セル参照が新しい配置(5行目)が反映されていることが確認出来ます。 列の数式 列の数式を使用すると、すべての行に数式を適用することができます。 ただし数式に行番号が指定されたセルを指定することは出来ませんので、@row、列参照、 シート間参照を使用する必要があります。 それでは「消費税」を列の数式で設定する例で説明していきます。 (1)「商品1」の消費税を以下の数式で設定します。 =割引後価格@row – (割引後価格@row * 0.1) ※数式に行番号を指定すると列の数式が設定出来ませんので”@row”を指定しています。 (2)数式を設定したセルを選択後、右クリックしメニューの「列の数式に変換」を指定します。 (3)「商品2」〜「商品5」の「消費税」が表示されました。 ※列の数式が設定されると列ヘッダに「fxマーク」が表示されます。(この列が列の数式を設定していることを把握出来ます。) 列の数式を編集したい場合は、セルを選択後、右クリックでメニューを表示し「列の編集」を、「列の数式」から「セルの数式」に戻したい場合は、「セルの式に変換」をクリックします。 シート間の数式 Smartsheet では数式を使用して複数のシート間で計算を実行することも可能です。 今回は以下のようなシートで東京の売上高を別シートの売上データから集計する数式を設定していきます。 (1)東京の売上高セルを選択し=SUM(まで入力します。 (2)「別のシートを参照」をクリックします。 (3)「別シートを参照」ダイアログが表示されますので、「東京エリアの売上」シートを検索し選択します。 (4)売上高の行をすべて選択し「参照の挿入」をクリックします。 (5)SUM関数の数式が完成していることを確認し、Enterキーを入力します。 (6)以下のように東京の売上高の数式が完成しました。 まとめ 今回はSmartsheetの数式と関数の応用的な使用方法について説明しました。数式を使用して計算やデータ処理を自動化し、プロジェクト管理を効率化することができます。是非活用してください。 Implement DigitalではSmartsheet運用支援サービスを提供しています。 ご興味がありましたらお問い合わせください。