GA4の自由形式レポートの紹介

今回はGA4の探索機能のひとつである自由形式レポートについて紹介します。 ユニバーサルアナリティクスでは、「カスタマイズ」→「カスタムレポート」でカスタムレポートを作成することができますが、GA4では、カスタムレポートは「探索」という名前に変更されました。 探索レポートには以下のテンプレートがあります。 自由形式 ファネルエクスプロレーション パス探索 セグメントオーバーラップ ユーザーエクスプローラー コーホートエクスプロレーション 自由形式レポートの概要 自由形式とは、探査レポートの一つで以下のことが可能です。 データを表やグラフで表現する 行や列を自由に配置できる 複数の指標を並べて比較する カスタムセグメントやフィルターを適用して、データを絞り込む 設定オプションの説明 GA4プロパティに移動し、「探索」メニューをクリックし、自由形式のテンプレートを選択します。 自由形式のインターフェイスには、変数、タブ設定、自由形式の3つのカラムがあります。 変数列には、日付範囲、セグメント、ディメンション、メトリクスが含まれます。また、インターフェイスの左上でレポート名を変更することができます。 タブ設定欄では、変数欄からディメンションとメトリクスをドラッグ&ドロップすることでレポートを制御できます。また、仮想化タイプ(表、ドーナツチャート、ラインチャート、散布図、棒グラフ、ジオマップ)を選択することができます。 セグメント比較では、変数列のセグメントセクションに既に含まれている4つのセグメントを追加することができます。 「行」セクションで、テーブルの行として使用するディメンションを含める必要があります。 テーブルの列としてディメンションを使用する場合は、「列」セクションで追加する必要があります。 レポートの「値」セクションに、列として表示するメトリクスを配置できます。 フィルターを使用してデータを絞り込むことができます。 自由形式のサンプルレポートを作成する 自由形式でランディングページレポートを作成してみましょう。 ステップ1:GA4のプロパティに移動し、「探索」をクリックします。 ステップ2:自由形式のテンプレートを選択します。 ステップ3:レポートに名前を付けます。 ステップ4:ディメンションとして「ページの参照URL」と「イベント名」、指標として「イベント数」と「利用ユーザー」を選択します。 ステップ5:行に「ページパス」、値に「イベント数」と「利用ユーザー」を適用します。 ステップ6:レポートにフィルターを適用します。フィルター:イベント名がsession_startと完全に一致する。 ステップ7:その後、以下のようなランディングページのレポートが表示されます。 自由形式レポートの共有とダウンロード方法 レポートから無料で共有するには、右上の欄にある共有アイコンをクリックしてください。 「共有」をクリックします。 右上のダウンロードボタンをクリックすると、報告書をダウンロードできます。 ダウンロード形式は、Googleスプレッドシート、TSV、CSV、PDF、PDF(すべてのタブ)から選択できます。 今回はGA4の自由形式レポートについてご紹介しました。参考になりましたら嬉しく思います。 Implement DigitalではGoogle Analyticsの導入・実装・運用を支援するサービスを提供しています。 ご興味がありましたらお問い合わせください。

Google Tag Managerの自動イベント変数を利用して外部リンクのクリック数を計測する方法

ウェブサイトの計測においてページ内の外部リンクをクリックした数および、その属性情報を計測したいケースがあると思います。 本記事ではGoogle Tag Managerの自動イベント変数を利用してGoogle Analticsユニバーサルアナリティクス(以下、UA)及びGoogle Analytics4(以下、GA4)で計測する方法を紹介していきます。 前提となる計測仕様 計測タイミング 外部リンクをクリックしたとき UAイベントカテゴリ/GA4イベント “外部リンククリック”という文字列 UAイベントアクション/GA4イベントパラメーター(ev_action) クリックURL UAイベントラベル/GA4イベントパラメーター(ev_label) ページURL 外部リンク判定用ユーザー定義変数の作成 以下の内容でユーザー定義変数を作成します。 変数名 ExternalLink 変数のタイプ 自動イベント変数 変数タイプ 要素URL 要素タイプ アウトバウンド ※要素タイプに「アウトバウンド」を指定することでクリックした要素のURLが外部リンクかどうかを判定し、外部リンクのときはtrueをそれ以外のときはfalseを返す変数が定義可能です。 また「アフィリエイトドメイン」で自ドメイン以外のドメインを内部リンクとして定義することも可能です。(複数ドメインの場合はカンマ区切りでを指定) 外部リンククリック用トリガーの作成 以下の内容でトリガーを作成します。 トリガーのタイプ クリック・リンクのみ このトリガーの発生場所 一部のリンククリック トリガーの条件 ExternalLink:等しい:true 計測用UAタグの作成 以下の内容でタグを作成します。 タグの種類 Googleアナリティクス:ユニバーサルアナリティクス トラッキングタイプ イベント カテゴリ 外部リンククリック アクション {{Click URL}} ラベル {{Page URL}} トリガー 先に作成したExternal Link Click 計測用GA4タグの作成 以下の内容でタグを作成します。…

ウェブサイトの計測におけるGoogle Analytics(UA)とGoogle Analytics 4(GA4)のディメンション・指標の違いを紹介

ウェブサイトの計測において、Google Analyticsのユニバーサルアナリティクス(以下、UA)とGoogle Analytics4(以下、GA4)のディメンションと指標はどのような違いがあるのかが分からず戸惑ってしまったことはないでしょうか? UAで見ていたデータをGA4で見るにはどのレポートを見るべきか? UAでは存在していたがGA4にないデータはどのようなものがあるか? GA4で新たに見れるようになったデータはどのようなものがあるか? こららのような疑問をクリアにするため、UAとGAの各ディメンション、指標の対応と違いについて調査を行いまとめましたので紹介したいと思います。 はじめに 今回の内容はウェブサイトの計測において主要と思われるディメンション、指標についてまとめています。(全ての項目は記載していませんのでご了承ください。) この調査結果は2022年5月時点の内容となっています。今後GA4のバージョンアップなどで内容が変更になる可能性はあります。 ディメンション UAのディメンションはGA4ではどのディメンションに対応しているか、またGA4で新たに追加されたディメンションがあるか、という観点でまとめています。※「説明」欄はUI上のTipsの内容をそのまま引用しています。 UA GA4 UAとGA4の違い​ ディメンション名 カテゴリー​ ディメンション名​ カテゴリー​ 説明​ ページ 行動 ページ遷移 + クエリ文字列 ページ / スクリーン ユーザーが訪問したウェブページが URI 別に表示されます。URIとは、ページのURL のうち、ドメイン名の後の部分のことです。例えば、www.example.com/contact.htmlのURIは「/contact.html」 の部分です。 違いなし ページタイトル 行動 ページタイトル ページ/ スクリーン サイトで使用されているウェブページのタイトルです。 違いなし – – ページ タイトルとスクリーンクラス ページ/ スクリーン ウェブページのタイトルと、アプリのデフォルトのスクリーン クラスです。 GA4のみ(アプリの計測データも含まれます) – – ページ タイトルとスクリーン名 ページ/…

Google Analytics(UA)をGoogle Analytics 4(GA4)に移行する際の注意点

先日Google Analyticsのユニバーサルアナリティクス(以下、UA)のサポート終了が発表されGoogle Analytics 4(以下GA4)へ移行の必要がでてきましたが適切に移行できるか不安に思われている方も多いのではないでしょうか? Implement Digitalでも事前にある程度GA4について調査を行っていましたが、実際に移行作業をすすめる中で気づいた点が多々有りました。 本記事では、実際に移行作業を行った際に感じた注意点をまとめて紹介しています。 ぜひ参考にしていただき移行作業をスムーズに実施いただければと思います。 なお今回の内容はGoogle Tag Manager(以下、GTM)でUAを設定している環境を前提としています。 カスタムディメンションのスコープ UAではカスタムディメンションのスコープがヒット、セッション、ユーザー、商品の4種類が指定可能ですが、GA4ではイベントとユーザーの2種類になっています。 ヒットはイベントで、ユーザーはそのままユーザーで定義すれば良いのですが、セッションはヒットかユーザーのどちらかに設定する必要があります。 このため要件に合わせてどちらにするか検討していくのが良いでしょう。 カスタムディメンション、カスタム指標の送信タイミング UAでカスタムディメンションやカスタム指標をページビューのトリガーで送信する場合、「Googleアナリティクス設定変数」の「カスタムディメンション」「カスタム指標」 の設定項目で「インデックス」と「値」を指定していると思います。 GA4でもタグの種類で「Googleアナリティクス:GA4設定」を利用し「設定フィールド」もしくは「ユーザープロパティー」の設定項目で 「フィールド名」「プロパティー名」と「値」を設定可能ですが一点注意が必要です。 GA4では一度に送信できるイベントパラメーターが最大で25個という制約があります。このためUAで25個以上のディメンションや指標を設定している場合は設定することができません。 ページビューのタイミングで多くのパラメーターを送信したい場合には、page_viewイベントを別途追加し、その中のイベントパラメーターで設定する必要があります。 カスタムイベントの変数設計 UAでページビュー以外のイベントトラッキングを行う場合、標準ディメンション変数として「イベントカテゴリー」「アクション」「ラベル」「値」のイベントトラッキングパラメーターが用意されていますがGA4ではこれがありません。 このためこれらの変数をカスタムディメンションで定義し移行するのが良いでしょう イベントパラメーターの制約事項 GA4ではイベントパラメーターに設定する値の最大サイズが100文字という制限があります。 UAでは特にこの制限がなかったのですが、GA4ではカスタムディメンションやイベントトラッキングパラメーターに100文字以上の値を設定することができません。 ちなみに100文字以上の設定した場合はレポーティングしたときに100文字目の箇所で切り落とされてしまいます。もし100文字以上の値を設定する必要がある場合は、パラメーターを分けるなど計測仕様の見直しが必要になるでしょう。 ビュー機能がないことによる弊害と対応 UAではビューのフィルターによってクエリーパラメーターを除外したビューを設定し、クエリーパラメーターを除外したレポートを実現しているケースがあります。 しかしGA4ではビューという概念がありませんので、クエリーパラメーターを除外したデータを計測したい場合には、別途対応が必要となります。 具体的にはページビューのイベントパラメーターでクエリーパラメーターを除外したURLの情報を追加し、これをカスタムディメンションで計測する方法が考えられます。 その他制限事項 本記事でいくつか制約事項を紹介しましたが、公式サイトにこれ以外の制約事項について記載があります。移行を行う際には事前に目を通りておくと良いでしょう。 [GA4] 収集と設定の上限 https://support.google.com/analytics/answer/9267744?hl=ja まとめ 今回はUAからGA4に移行する上での注意点をまとめて紹介しました。 カスタムイベント、カスタムディメンション、カスタム指標を利用していない場合は、それほど手間にならないと思いますが、これらを駆使した設定の場合には、それなりに注意すべき点があることをご理解いただけたのではと思います。 Implement DigitalではGA4への移行を支援するサービスを提供しています。 ご興味がありましたらお問い合わせください。