Adobe AnalyticsのReporting Activity Managerの使用方法

はじめに みなさん、Adobe Analyticsを使用していて、ワークスペースがなかなか表示されない、レスポンスが返ってこない、重たい、など感じたことはありませんか? 今回は、レポートのキャパシティを確認することができるReporting Activity Managerを紹介します。 Reporting Activity Managerとは Reporting Activity Managerを使用すると、現在の稼働率、リクエスト数などをリアルタイム確認することができます。キューに溜まっているリクエストを確認でき重たいリクエストをキャンセルすることでパフォーマンスを修正することもできます。 メリット レポートスイート単位で現在のキャパシティをリアルタイムに監視することができます。 現在の処理中のリクエスト、キューに溜まっているリクエストを表示することができます。 管理者はリクエストをキャンセルすることで、容量を解放することができます。 Reporting Activity Managerの表示方法 Reporting Activity Managerを表示するには、「管理者」> 「レポートアクティビティマネージャー」を選択します。 レポートスイートの一覧が表示され、各レポートスイート毎の使用率、キューの数、待機時間などが確認できます。 個別のレポートスイートの詳細情報を確認したい場合は、レポートスイートのリックをクリックします。 過去2時間の以下の状況が確認できます。 使用率 ユニークユーザ数 リクエスト数(処理済、待機中) キューの平均待機時間(秒) また、リクエスト別の以下の情報も確認することができます。 実行時間 待ち時間 リクエストしたユーザー 対象のワークスペースプロジェクト ステータス(実行中、保留中) リクエストの複雑さ など レポートリクエストのキャンセル方法 重たい処理が実行されていることで全体に影響が出ている場合、対象リクエストをキャンセすることができます。 キャンセルは、 リクエスト単位 ユーザ単位 プロジェクト単位 アプリケーション単位 のいずれかで行うことができます。 キャンセルしたいリクエスト(ユーザ、プロジェクト、アプリケーション)を選択して、「リクエストをキャンセル」することでキャンセルできます。 まとめ パフォーマンスが劣化した場合その原因調査をご自身ですることもできますので、ぜひ一度使用してみてください! Implement DigitalではAdobe Analyticsの分析を支援するサービスを提供しています。 ご興味がありましたらお問い合わせください。

Adobe Analyticsの変数活用方法(カウンターeVar編)

はじめに Adobe Analyticsの変数はトラフィック変数(prop)、コンバージョン変数(eVar)、イベント変数(events)など用途に合わせて利用可能な様々な機能が用意されています。さらに変数の中でも個別に便利な機能が沢山ありますが、多機能なため活用しきれていないことがあるのではないでしょうか? 第一回目はリストprop、第二回目はリスト変数を紹介しましたが、今回は第三回目としてカウンターeVarについて紹介します。なおリストprop、リスト変数については以下をご覧ください。 Adobe Analyticsの変数活用方法(リストprop編) Adobe Analyticsの変数活用方法(カウンターeVar編) カウンターeVarの概要 eVarは通常文字列を設定し計測しますが、カウンターeVarは数値型のデータを設定しカウンターとして利用可能な機能となります。 例えば購入までに実行された商品検索数を把握したい場合などで利用します。 カウンターeVarの設定例 ・実装内容(実数の場合) s.eVar4 = “+1”; ・レポートでの表示 ※上記では指標を発生件数としていますが、カスタムイベントや売上高、購入回数なども指定可能です。 ・実装内容(少数の場合) s.eVar5 = “+0.2”; ・レポートでの表示 設定方法 管理者メニューから「レポートスイートマネージャー」を開きます。 レポートスイートを選択し「設定を編集>コンバージョン>コンバージョン変数」でコンバージョン変数の一覧を表示します。 該当変数の「名前」を入力し、「状態」を「有効」にします。 「 タイプ」で「カウンタ」を指定します。 「有効期限」を指定します。 「保存」をクリックします。 制限事項 設定したeVarの有効期限に達すると回数はリセットされます。 分布が必要な場合に有用な実装方法になります。(平均であれば、計算指標で実現可能)。 少数を指定した際、小数点以下が 3 桁以上ある場合は2 桁に四捨五入されます。 マイナス値(-)は設定できません。 まとめ 今回はAdobe Analyitcs変数の活用方法について紹介しました。第三回目はカウンターeVarについて紹介しましたが、今後も他の便利な機能について随時紹介していきたいと思います。 Implement DigitalではAdobe Analyticsの導入、実装、運用を支援するサービスを提供しています。 ご興味がありましたらお問い合わせください。

Adobe LaunchでもdataLayerを活用したい

はじめに Google Tag Managerを用いたサイトではGoogle AnalyticsなどのサービスやツールにdataLayerが頻繁に活用されているケースも珍しくはありません。 そこにAdobe Launchタグを追加することになった場合に、せっかくのdataLayerがあるのに活用できないという懸念がある場合には、本記事は参考になるかと思います。 ぜひご一読ください。 結論としましては、Google Data Layerエクステンションを利用することで、一般的なdata Layer運用であれば、特にページ側での追加対応なしに対応ができるシーンが多いと思われます。 Google Data Layerエクステンション Adobe Launchのエクステンション画面のCatalogよりGoogle Data Layerを探します。 Google Data Layerパネルをクリックして画面右のInstallをクリックします。 dataLayer変数名が聞かれます。(dataLayerのままでしたら入力は不要です) Saveを押してインストールができると、ルールやデータエレメントでdataLayer関連の設定ができるようになります。 データエレメント ExtensionプルダウンにてGoogle Data Layerが選択できるようになり、選んだ画面は以下となります。 プロパティの入力や「Only event properties」のON/OFF状態で返り値に違いが生じます。 画面右に詳細な説明がありますのでご利用時にはまずご確認ください。 一般的には、pushされたオブジェクト内のデータをAdobe Analyticsの計測値にも使うというシーンが多いかと思われますので、参照したいプロパティ名を入力します。 なお「Only event properties」はeventなしのpushを無視するオプションで、通常だとOFFで済むことが多いように見受けられます。 ルール ルールではEVENTSとACTIONSのExtensionプルダウンにてGoogle Data Layerが選択できるようになります。 EVENTS こちらもご利用時には右側の説明をまずご確認ください。 運用中(予定)のdataLayerの設計/要件次第ですが、基本はユニークなeventのpushをアクションの発生と見なし、それをAdobe Analyticsで取りたい、という実装が多いかと思います。その場合には一番下のSecific Eventを活用することになります。 例えば、コンテンツの読了の際に、dataLayerに{event: “Finished reading”}というオブジェクトをpushされているとします。 これをトリガーにAdobe Analyticsに読了計測を実施する場合は以下のようなEVENTS設定となります。 ルール(ACTIONS) ACTIONSだと更にAction Typeに3種類があります。 Google…

Adobe Analyticsでコンポーネント(セグメント、計算指標)を使用している場所を確認する方法

はじめに Adobe Analyticsでセグメントや計算指標のコンポーネントを入れ替えたい場合など、大量にあるワークスペースプロジェクトの中から、どこで使用しているか見つける方法がなかったと思います。それが、コンポーネント一覧の画面から簡単に見つけられるようになりました。(この機能は2023年10月にリリースされました。) コンポーネントを管理するための新しい列 コンポーネント一覧の画面に「使⽤場所」「前回の使⽤」の2つの列が追加になりました。この2つの列の追加で、コンポーネントが使⽤される場所、前回使用された日時がすぐに分かるようになりました。 2つのチェックを入れると以下のように一覧に表示されます。 使⽤場所 「使用場所」をクリックしますと、使用しているコンポーネントの数が表示されます。 クリックすると実際に使用しているコンポーネント一覧に遷移します。 自動的にフィルタした結果が表示され、該当のコンポーネントを使用しているワークスペースの一覧が確認できます。 前回の使⽤ 「前回の使用」列では、最近の使用状況が確認できますので、現在使用されているコンポーネントなのかどうかを確認できます。 列を表示できるコンポーネント 以下のコンポーネントが対象になります。 セグメント 計算指標 アラート(アラートは、「前回の使⽤」のみ) まとめ これまでコンポーネントに修正を加える場合など、使用状況・影響範囲が把握できず、苦労されている方は多かったと思います。非常に便利な機能ですので、皆さん活用してみてください! Implement DigitalではAdobe Analyticsの分析を支援するサービスを提供しています。 ご興味がありましたらお問い合わせください。

Adobe Launch (Tags)で簡単にYouTube動画計測を行う方法

はじめに Adobe AnalyticsでYouTube動画の再生回数などを計測する場合、いくつか方法がありますが、本コラムでは比較的簡単な方法としてYouTube ビデオトラッキング拡張機能を使った方法をご紹介します。 前提条件 (1)Adobe Experience Platform Data CollectionのLaunch(Tags)プロパティでは、次の拡張機能がExtensions画面から設定されている必要があります。 「Adobe AnalyticsとExperience Cloud ID Service」 ※「Adobe Experience Platform Web SDK」でも動作可能です。 「Core」 拡張機能 (2)各webページのYouTubeプレーヤー埋め込みタグは、以下のようにIFrame Player APIを利用したコードスニペットである必要があります。

Adobe Launch Mapping Tableエクステンションの紹介

はじめに Mapping Tableエクステンションはデータエレメントタイプ「Mapping Table」をインストールしたLaunchプロパティに追加します。 このデータエレメントタイプ「Mapping Table」は特定の文字パターンをもとに計測値を作ることができます。そのため、あまり複雑な構文でなければ、カスタムコードにてJavaScriptでIfやSwitch構文の代わりにもなりえます。 エクステンションのインストール WebプロパティのExtensions画面のCatalogタブをクリックし、下のテキストボックスにてMappingなどの文字列で検索します。 Mapping Tableをクリックすると右タブが表示されるのでInstallボタンをクリックしてインストールします。 Mapping Tableエクステンションの画面が表示されますので、Saveをクリックします。 このエクステンションには設定項目は特にありませんのでインストールはこれで完了です。 ただし、通常のエクステンション同様、このままだと未Publish状態です。 DevelopmentまたはStaging環境へのBuildとProductionへのPublishは忘れず対応してください。 Mapping Tableデータエレメント エクステンションを追加すると、データエレメント画面の左メニュー > Extensionにて「Mapping Table」が選べるようになります。 データエレメント「Mapping Table」の画面 設定例 以下の要件を対応するのにMapping Tableを使用してみます。 要件: Implement Digitalの「プロフェッショナルサービス」の配下ページ群へのアクセスをそれぞれのサービスの製品群カテゴリの粒度(下記)で分析したいとします。 Adobe Experience Cloud Google Marketing Platform Smart Sheet Core Web Vitals Optimizely ただ、「プロフェッショナルサービス」の配下ページはURLパスの第一階層レベルで既に個々のサービスまで分かれています。 例: Adobe Analytics導入支援:/adobe-analytics-introduction/ Adobe Analytics実装支援:/adobe-analytics-implementation/ Adobe Target運用支援:/adobe-target-operation/ 等々…。 よって、URLパスのパターンより各ページの製品群カテゴリを判別する対応が必要です。 これをMapping Tableデータエレメントで対応すると、以下のような例が考えられます。 Default Value:…

Adobe Analyticsワークスペースのフリーフォームテーブルから特定の行を非表示にする方法

はじめに ワークスペースのフリーフォームテーブルから特定の行を非表示にしたい場合、皆さんどんな方法を使用していますか?ここでは最近リリースされた機能で、簡単に素早く特定の行を非表示できる機能を紹介します。 フリーフォームテーブルから特定行を非表示する方法 操作は簡単で1クリックだけで可能です。行に「x」アイコンが表示されるようになりましたので、こちらをクリックするだけで非表示することができます。 以下のようにその行のみ削除されます。 非表示にした行を元に戻す方法 上記方法で非表示にすると、フィルターが適用されフィルター内の「常に項目を除外」に自動的に値が設定されていますので、そこをクリアすれば元に戻ります。 他の特定行に絞り込む方法 皆さんご存知と思いますが、行を非表示にする方法として、そのほかには以下の方法もございます。 クイックセグメントでの除外する方法 選択した行のみ表示する方法 選択したい行を選択した状態で右クリックすると、「選択した行のみ表示」ができますので、こちらを選択します。 フィルタを使用する方法 フィルタの条件指定で表示したくない行の条件指定をします。 まとめ 複数行を一気に非表示にすることはできませんが、必要のない行を簡単に非表示にしたい場合は今回ご紹介した削除クリックが一番便利だと思います。皆さん活用してみてください! Implement DigitalではAdobe Analyticsの分析を支援するサービスを提供しています。 ご興味がありましたらお問い合わせください。

Adobe Analyticsのデータ修復 API (Data Repair API )機能について

はじめに Adobe Analyticsでは、既存の計測データを削除または編集する方法として「データ修復 API (Data Repair API )」という機能が提供されています。 本記事では、その概要をご紹介します。 データ修復 API (Data Repair API )とは データ修復 API は 2021 年にリリースされた機能です。 以前の Adobe Analytics では一度計測して格納されたデータは、通常では編集や削除はできない構造になっていましたが、個人情報保護などの理由で、誤って取得した個人情報データの削除などの必要性が高まり、計測データの削除や編集機能が追加実装・強化されました。 Adobe Analytics のほとんどのデータタイプと変数(prop や eVar 等)は、この API を通じて修復または削除できますが、イベント/指標、マーチャンダイジング変数、その他の変数タイプは使用できないことに注意してください。 ※サポートされる変数のリスト(ジョブ定義のリファレンス) アクションとフィルター条件 データ修復 API では、以下の項目を指定して特定の変数に対してアクションを実行します。 レポートスイート 期間 変数 アクション(set, delete, deleteQueryString, deleteQueryStringParameters) フィルター条件 データ修復 API で指定できるアクションには、以下の通り 4 パターンあります。 set: 変数の値を上書きします。 delete: 変数の値をクリアします。 deleteQueryString: 変数の値が URL 形式の場合にクエリパラメーター全体を削除します。…

Adobe Analyticsのワークスペースで利用できるショートカットの紹介

はじめに 本コラムでは、Adobe Analyticsワークスペースのプロジェクト作成時によく使用しているショートカット中心に紹介したいと思います。 なお、ショートカットは他にもありますので、巻末に参考リンクも是非ご参照ください。 ショートカット例 いずれもワークスペースのプロジェクトを開いている状態で実行します。 操作 Windows Mac プロジェクトの保存 Ctrl + S Command + S プロジェクトに名前をつけて保存 Ctrl + Shift + S Command + Shift + S Undo Ctrl + Z Command + Z Redo Ctrl + Shift + Z Command + Shift + Z セグメントビルダー(追加)を開く Ctrl + Shift + E MacではCommand + Shift +…

Adobe Analyticsのワークスペースで動的ドロップダウンフィルターを使用する方法

はじめに Adobe Analyticsのワークスペースで、パネルのドロップゾーンに、動的ドロップダウンフィルター機能が追加されました。これは非常に便利な機能です。 動的ドロップダウンフィルターを使用すると、パネルのレポート範囲内のデータと、他のドロップダウンフィルターの値に基づいて、使用可能な値を自動でドロップダウンフィルターに設定します。 動的ドロップダウンフィルターの使用方法 シフトキーを押しながらディメンションをパネル内のドロップゾーンにドラッグ&ドロップします。例として「国」ディメンションを使用します。 次に同様の方法でドロップエリアに「地域」ディメンションをドロップします。 「国」から特定の値と選択すると、その国に属する地域が自動的に「地域」のドロップダウンフィルターに設定されます。(「日本」を選択すると日本の「地域」が自動でドロップダウンに設定されます。) ドロップダウンフィルターを削除する場合は、右クリックをして「ドロップダウンを削除」を選択することで削除できます。 ※動的ドロップダウンフィルターは、指標、セグメント、または日付範囲には使用できません。 複数ドロップダウンフィルターの使用例 「国」「地域」の組み合わせ以外にもさまざまな組み合わせで使用可能です。 ブラウザー:「ブラウザーのタイプ」と「ブラウザー」 オペレーティングシステム:「オペレーティングシステムの種類」と「オペレーティングシステム」 マーケティングチャネル:「マーケティングチャネル」と「マーケティングチャネルの詳細」 流入元:「リファラータイプ」と「参照ドメイン」 特定の日:「週」と「日」 など ※組み合わせが2つ以上での可能です。 ※デフォルトのディメンションだけでなく、カスタムディメンションでも適用できます。 まとめ これまでアドホックに分析したい時などでも、セグメントを作成したり、フリーフォームテーブルのフィルタで条件指定していたりしていたと思いますが、マウス操作だけで簡単に分析ができるようになりました。早速試してみてください! Implement DigitalではAdobe Analyticsの分析を支援するサービスを提供しています。 ご興味がありましたらお問い合わせください。