Adobe LaunchでもdataLayerを活用したい

はじめに Google Tag Managerを用いたサイトではGoogle AnalyticsなどのサービスやツールにdataLayerが頻繁に活用されているケースも珍しくはありません。 そこにAdobe Launchタグを追加することになった場合に、せっかくのdataLayerがあるのに活用できないという懸念がある場合には、本記事は参考になるかと思います。 ぜひご一読ください。 結論としましては、Google Data Layerエクステンションを利用することで、一般的なdata Layer運用であれば、特にページ側での追加対応なしに対応ができるシーンが多いと思われます。 Google Data Layerエクステンション Adobe Launchのエクステンション画面のCatalogよりGoogle Data Layerを探します。 Google Data Layerパネルをクリックして画面右のInstallをクリックします。 dataLayer変数名が聞かれます。(dataLayerのままでしたら入力は不要です) Saveを押してインストールができると、ルールやデータエレメントでdataLayer関連の設定ができるようになります。 データエレメント ExtensionプルダウンにてGoogle Data Layerが選択できるようになり、選んだ画面は以下となります。 プロパティの入力や「Only event properties」のON/OFF状態で返り値に違いが生じます。 画面右に詳細な説明がありますのでご利用時にはまずご確認ください。 一般的には、pushされたオブジェクト内のデータをAdobe Analyticsの計測値にも使うというシーンが多いかと思われますので、参照したいプロパティ名を入力します。 なお「Only event properties」はeventなしのpushを無視するオプションで、通常だとOFFで済むことが多いように見受けられます。 ルール ルールではEVENTSとACTIONSのExtensionプルダウンにてGoogle Data Layerが選択できるようになります。 EVENTS こちらもご利用時には右側の説明をまずご確認ください。 運用中(予定)のdataLayerの設計/要件次第ですが、基本はユニークなeventのpushをアクションの発生と見なし、それをAdobe Analyticsで取りたい、という実装が多いかと思います。その場合には一番下のSecific Eventを活用することになります。 例えば、コンテンツの読了の際に、dataLayerに{event: “Finished reading”}というオブジェクトをpushされているとします。 これをトリガーにAdobe Analyticsに読了計測を実施する場合は以下のようなEVENTS設定となります。 ルール(ACTIONS) ACTIONSだと更にAction Typeに3種類があります。 Google…

Adobe Analyticsでコンポーネント(セグメント、計算指標)を使用している場所を確認する方法

はじめに Adobe Analyticsでセグメントや計算指標のコンポーネントを入れ替えたい場合など、大量にあるワークスペースプロジェクトの中から、どこで使用しているか見つける方法がなかったと思います。それが、コンポーネント一覧の画面から簡単に見つけられるようになりました。(この機能は2023年10月にリリースされました。) コンポーネントを管理するための新しい列 コンポーネント一覧の画面に「使⽤場所」「前回の使⽤」の2つの列が追加になりました。この2つの列の追加で、コンポーネントが使⽤される場所、前回使用された日時がすぐに分かるようになりました。 2つのチェックを入れると以下のように一覧に表示されます。 使⽤場所 「使用場所」をクリックしますと、使用しているコンポーネントの数が表示されます。 クリックすると実際に使用しているコンポーネント一覧に遷移します。 自動的にフィルタした結果が表示され、該当のコンポーネントを使用しているワークスペースの一覧が確認できます。 前回の使⽤ 「前回の使用」列では、最近の使用状況が確認できますので、現在使用されているコンポーネントなのかどうかを確認できます。 列を表示できるコンポーネント 以下のコンポーネントが対象になります。 セグメント 計算指標 アラート(アラートは、「前回の使⽤」のみ) まとめ これまでコンポーネントに修正を加える場合など、使用状況・影響範囲が把握できず、苦労されている方は多かったと思います。非常に便利な機能ですので、皆さん活用してみてください! Implement DigitalではAdobe Analyticsの分析を支援するサービスを提供しています。 ご興味がありましたらお問い合わせください。

Adobe Launch (Tags)で簡単にYouTube動画計測を行う方法

はじめに Adobe AnalyticsでYouTube動画の再生回数などを計測する場合、いくつか方法がありますが、本コラムでは比較的簡単な方法としてYouTube ビデオトラッキング拡張機能を使った方法をご紹介します。 前提条件 (1)Adobe Experience Platform Data CollectionのLaunch(Tags)プロパティでは、次の拡張機能がExtensions画面から設定されている必要があります。 「Adobe AnalyticsとExperience Cloud ID Service」 ※「Adobe Experience Platform Web SDK」でも動作可能です。 「Core」 拡張機能 (2)各webページのYouTubeプレーヤー埋め込みタグは、以下のようにIFrame Player APIを利用したコードスニペットである必要があります。

Adobe Launch Mapping Tableエクステンションの紹介

はじめに Mapping Tableエクステンションはデータエレメントタイプ「Mapping Table」をインストールしたLaunchプロパティに追加します。 このデータエレメントタイプ「Mapping Table」は特定の文字パターンをもとに計測値を作ることができます。そのため、あまり複雑な構文でなければ、カスタムコードにてJavaScriptでIfやSwitch構文の代わりにもなりえます。 エクステンションのインストール WebプロパティのExtensions画面のCatalogタブをクリックし、下のテキストボックスにてMappingなどの文字列で検索します。 Mapping Tableをクリックすると右タブが表示されるのでInstallボタンをクリックしてインストールします。 Mapping Tableエクステンションの画面が表示されますので、Saveをクリックします。 このエクステンションには設定項目は特にありませんのでインストールはこれで完了です。 ただし、通常のエクステンション同様、このままだと未Publish状態です。 DevelopmentまたはStaging環境へのBuildとProductionへのPublishは忘れず対応してください。 Mapping Tableデータエレメント エクステンションを追加すると、データエレメント画面の左メニュー > Extensionにて「Mapping Table」が選べるようになります。 データエレメント「Mapping Table」の画面 設定例 以下の要件を対応するのにMapping Tableを使用してみます。 要件: Implement Digitalの「プロフェッショナルサービス」の配下ページ群へのアクセスをそれぞれのサービスの製品群カテゴリの粒度(下記)で分析したいとします。 Adobe Experience Cloud Google Marketing Platform Smart Sheet Core Web Vitals Optimizely ただ、「プロフェッショナルサービス」の配下ページはURLパスの第一階層レベルで既に個々のサービスまで分かれています。 例: Adobe Analytics導入支援:/adobe-analytics-introduction/ Adobe Analytics実装支援:/adobe-analytics-implementation/ Adobe Target運用支援:/adobe-target-operation/ 等々…。 よって、URLパスのパターンより各ページの製品群カテゴリを判別する対応が必要です。 これをMapping Tableデータエレメントで対応すると、以下のような例が考えられます。 Default Value:…

Adobe Analyticsワークスペースのフリーフォームテーブルから特定の行を非表示にする方法

はじめに ワークスペースのフリーフォームテーブルから特定の行を非表示にしたい場合、皆さんどんな方法を使用していますか?ここでは最近リリースされた機能で、簡単に素早く特定の行を非表示できる機能を紹介します。 フリーフォームテーブルから特定行を非表示する方法 操作は簡単で1クリックだけで可能です。行に「x」アイコンが表示されるようになりましたので、こちらをクリックするだけで非表示することができます。 以下のようにその行のみ削除されます。 非表示にした行を元に戻す方法 上記方法で非表示にすると、フィルターが適用されフィルター内の「常に項目を除外」に自動的に値が設定されていますので、そこをクリアすれば元に戻ります。 他の特定行に絞り込む方法 皆さんご存知と思いますが、行を非表示にする方法として、そのほかには以下の方法もございます。 クイックセグメントでの除外する方法 選択した行のみ表示する方法 選択したい行を選択した状態で右クリックすると、「選択した行のみ表示」ができますので、こちらを選択します。 フィルタを使用する方法 フィルタの条件指定で表示したくない行の条件指定をします。 まとめ 複数行を一気に非表示にすることはできませんが、必要のない行を簡単に非表示にしたい場合は今回ご紹介した削除クリックが一番便利だと思います。皆さん活用してみてください! Implement DigitalではAdobe Analyticsの分析を支援するサービスを提供しています。 ご興味がありましたらお問い合わせください。

Adobe Analyticsのデータ修復 API (Data Repair API )機能について

はじめに Adobe Analyticsでは、既存の計測データを削除または編集する方法として「データ修復 API (Data Repair API )」という機能が提供されています。 本記事では、その概要をご紹介します。 データ修復 API (Data Repair API )とは データ修復 API は 2021 年にリリースされた機能です。 以前の Adobe Analytics では一度計測して格納されたデータは、通常では編集や削除はできない構造になっていましたが、個人情報保護などの理由で、誤って取得した個人情報データの削除などの必要性が高まり、計測データの削除や編集機能が追加実装・強化されました。 Adobe Analytics のほとんどのデータタイプと変数(prop や eVar 等)は、この API を通じて修復または削除できますが、イベント/指標、マーチャンダイジング変数、その他の変数タイプは使用できないことに注意してください。 ※サポートされる変数のリスト(ジョブ定義のリファレンス) アクションとフィルター条件 データ修復 API では、以下の項目を指定して特定の変数に対してアクションを実行します。 レポートスイート 期間 変数 アクション(set, delete, deleteQueryString, deleteQueryStringParameters) フィルター条件 データ修復 API で指定できるアクションには、以下の通り 4 パターンあります。 set: 変数の値を上書きします。 delete: 変数の値をクリアします。 deleteQueryString: 変数の値が URL 形式の場合にクエリパラメーター全体を削除します。…

Adobe Analyticsのワークスペースで利用できるショートカットの紹介

はじめに 本コラムでは、Adobe Analyticsワークスペースのプロジェクト作成時によく使用しているショートカット中心に紹介したいと思います。 なお、ショートカットは他にもありますので、巻末に参考リンクも是非ご参照ください。 ショートカット例 いずれもワークスペースのプロジェクトを開いている状態で実行します。 操作 Windows Mac プロジェクトの保存 Ctrl + S Command + S プロジェクトに名前をつけて保存 Ctrl + Shift + S Command + Shift + S Undo Ctrl + Z Command + Z Redo Ctrl + Shift + Z Command + Shift + Z セグメントビルダー(追加)を開く Ctrl + Shift + E MacではCommand + Shift +…

Adobe Analyticsのワークスペースで動的ドロップダウンフィルターを使用する方法

はじめに Adobe Analyticsのワークスペースで、パネルのドロップゾーンに、動的ドロップダウンフィルター機能が追加されました。これは非常に便利な機能です。 動的ドロップダウンフィルターを使用すると、パネルのレポート範囲内のデータと、他のドロップダウンフィルターの値に基づいて、使用可能な値を自動でドロップダウンフィルターに設定します。 動的ドロップダウンフィルターの使用方法 シフトキーを押しながらディメンションをパネル内のドロップゾーンにドラッグ&ドロップします。例として「国」ディメンションを使用します。 次に同様の方法でドロップエリアに「地域」ディメンションをドロップします。 「国」から特定の値と選択すると、その国に属する地域が自動的に「地域」のドロップダウンフィルターに設定されます。(「日本」を選択すると日本の「地域」が自動でドロップダウンに設定されます。) ドロップダウンフィルターを削除する場合は、右クリックをして「ドロップダウンを削除」を選択することで削除できます。 ※動的ドロップダウンフィルターは、指標、セグメント、または日付範囲には使用できません。 複数ドロップダウンフィルターの使用例 「国」「地域」の組み合わせ以外にもさまざまな組み合わせで使用可能です。 ブラウザー:「ブラウザーのタイプ」と「ブラウザー」 オペレーティングシステム:「オペレーティングシステムの種類」と「オペレーティングシステム」 マーケティングチャネル:「マーケティングチャネル」と「マーケティングチャネルの詳細」 流入元:「リファラータイプ」と「参照ドメイン」 特定の日:「週」と「日」 など ※組み合わせが2つ以上での可能です。 ※デフォルトのディメンションだけでなく、カスタムディメンションでも適用できます。 まとめ これまでアドホックに分析したい時などでも、セグメントを作成したり、フリーフォームテーブルのフィルタで条件指定していたりしていたと思いますが、マウス操作だけで簡単に分析ができるようになりました。早速試してみてください! Implement DigitalではAdobe Analyticsの分析を支援するサービスを提供しています。 ご興味がありましたらお問い合わせください。

Adobe Analyticsの処理ルールの使い方

はじめに Adobe Analyticsのレポートスイートマネージャーには「処理ルール(processing rules)」という、アドビサーバー側でレポート変数の処理および収集の設定ができる機能があります。 この処理ルールをうまく使いこなすことで、より効果的な分析が可能になります。 ※処理ルールを設定するには管理者権限が必要です。 処理ルールの作り方 処理ルールはレポートスイートで設定されます。 Analytics/管理者/レポートスイートの順にクリックします。 レポートスイートを選択します。 設定を編集/一般/処理ルールの順にクリックします。 処理ルールページで「ルールの追加」をクリックします。 「条件を追加」をクリックし、ルールを適用するタイミングを選択します。 「アクションを追加」をクリックし、条件が一致した場合に実行するアクションを選択します。 ルールの詳細を含むメモを追加し、「保存」をクリックします。 ルールの条件は、コンテキスト変数などの値が一致するか、または値が存在するかどうかをチェックします。複数の条件を追加でき、OR条件またはAND条件を選択できます。 定義したアクションを常に実行する場合は、条件なしのルールを作成できます。 ※コンテキストデータ変数(contextData) 処理ルールの例 処理ルールの一般的な事例です。 クエリ文字列パラメーターからのキャンペーン ID の入力 製品の概要ページからの「製品表示」イベントの設定 eVar 値を prop にコピーしてパスを指定 レポート内の値のクリーンアップ コンテキストデータ変数を使用したイベントの設定 注意すべきこと ルールは単一のレポートスイートに適用されます。 処理ルールはリストに表示された順番(変更可能)で適用されます。 処理ルールは、保存後すぐにレポートスイートに適用されます。 処理ルールは、コンテキストデータ変数にアクセスする唯一の方法です。 製品文字列、リファラー、ユーザーエージェントは変更できません。 モバイルデバイスの属性と分類は使用できません。 処理ルールで読み取れるように、クエリー文字列値を Unicode または UTF-8 でエンコードする必要があります。 各レポートスイートでは、ルールの数は 150 個まで、ルールに含まれる条件の数は 30 個までに制限されます。 大文字と小文字が区別されません。 まとめ 本記事では、Adobe Analyticsの処理ルールについて、その概要、作成方法、そして事例を紹介しました。処理ルールは、Webサイトやアプリの訪問者の行動を分析するために使用されるもので、うまく活用することで、より効果的な分析が可能になります。ルールを作成する際には、以下のようなポイントに注意する必要があります。 ルールの作成には、条件、アクション、例外などを設定する必要があります。 条件の数や条件の組み合わせには制限があるため、適切に使い分ける必要があります。 ルールを作成する際には、分析の目的に合わせて、適切な設定を行う必要があります。 また、処理ルールをうまく使いこなすことで、以下のような効果が期待できます。…

Adobe Launchで読了計測を実装してみる

はじめに 記事が読了されているかどうかが気になる、というお話はそれなりに耳にすることがありますので、Adobe Launchにて読了計測を実装してみる例を取り上げてみたいと思います。 Enters Viewport LaunchのEnters Viewportは特定のHTML要素が見えたときにルールを発火させるEVENTです。 これを利用して、読了位置(多くはフッター近辺だと思います)が見えたら読了を計測する、というルールを設定することで読了計測を実現します。 読了計測を行う上で決めること 読了位置を決めることが重要です。 今回の例としてIMPLEMENTDIGITALのコラム記事ページの読了計測をするとして、フッターブロックの「お問い合わせ」のHTML要素が見えたら読了とみなします。 例: ルール例 その他、以下の条件/要件を追加してルールを作ってみます。 「どのコラム記事」が読了されたかは、本例ではページURLやページタイトルを利用するものとし、eVar1〜3にて計測します 読了計測対象のページはIMPLEMENTDIGITALのコラム記事ページのみとする トップページやカテゴリトップページなど他のページでは計測しない 読了数のカウント用にevent50を策定する (専用のカスタムイベントがあると読了数をレポーティングしやすいため) 設定してみたルール例がこちらとなります。 ●EVENTS もちろんEnters Viewportです。 また、読了とみなすHTMLブロックが見えた際に即時かつ最初の1回のみ発火と設定しています。 ●CONDTION ドメインとパスとでIMPLEMENTDIGITALのコラム記事ページのみ対象とするとしました。 ●ACTIONS いつものAdobe Analytics計測の設定です。 Clear Variablesは設定項目がないACTIONのため割愛しております。 Set Variables Send Beacon 読了計測はページビュー数のカウントをさせたくなかったのでs.tlを選び、カスタムリンク計測としました カスタムリンクレポートに「Finish Reading Tracking」という値も計測されるようになるため、読了計測のみを絞り込む際などに活用します。 なお、本例では挙げていませんが、ドメインやサイトセクション、記事カテゴリ、タグなども一緒に計測するとより面白い分析ができるかもしれません。 Implement DigitalではAdobe Launchの導入、運用を支援するサービスを提供しています。 ご興味がありましたらお問い合わせください。